5つの賀川記念館

 賀川豊彦が人々の記憶から消え去って久しい。ただ地道に賀川研究を続け、賀川の業績を継承してきた記念館が全国に5つもある。

 第一は「賀川豊彦記念・松沢資料館」がある。関東大震災以降、賀川が住んだ世田谷区上北沢に松沢教会と併設されている。賀川が1960年に昇天した後、長男の純基氏が館長を務めていたが、純基氏が亡くなったいま、元明治学院大学教授の加山氏が館長。賀川が残した膨大な書籍、資料が明治学院大学から移され、資料整理の日々が続いている。
 東京都世田谷区上北沢3-8-19 TEL:03-3302-2855
 http://zaidan.unchusha.com/

 第二は、賀川が1908年のクリスマスイブの日に引っ越した神戸区葺合新川の地にある「賀川豊彦記念館」。運営団体は「社会福祉法人エス団」。賀川が残した法人で、関西一円で保育園などを経営しながら賀川スピリットを継承している。
 神戸市中央区吾妻通5-2-20 TEL:078-221-3627
 http://www.jesusband.jp/

 第三は、東京本所の「本所賀川豊彦記念館」。関東大震災後の救済活動の拠点となった場所である。隣に賀川が設立した庶民のための金融機関「中ノ郷信用組合」がいまも健全な経営を続けている。
 東京都墨田区東駒形4-6-2 TEL:03-3622-7811

 第四は、「コープこうべ協同学苑資料館」。生活協同組合発祥の地、イギリスのロッチデール記念館を模して建てられた館に、賀川豊彦コープこうべの歴史資料を一堂に集めている。
 〒673-0592 兵庫県三木市志染町青山7-1-4 TEL:0794-85-5500 FAX:0794-85-5528
 http://www.kobe.coop.or.jp/kouza/kyodogakuen/info.html

 第五は、「鳴門市賀川豊彦記念館」。「賀川の故郷に賀川を顕彰するものが何もない」と鳴門市の有志が募金してNPOを設立し、資料を募集した。第一次大戦の最中、ドイツ軍捕虜が多くこの地で収容されたことはよく知られている。そのドイツ館に隣接して2002年に建設された。
 〒779-0225 徳島県鳴門市大麻町桧字東山田50-2 TEL:088-689-5050
 http://www.tv-naruto.ne.jp/kagawa-kan/