2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

壁の声きく時(随筆集『地殻を破って』から)

壁の声きく時 石の叫ぶ日に私は壁の声をきく.私の孤独は凡ての無生物の友人によつて慰められる。私は何一つとしてその声をきかぬものはない。 ステーシヨンの、ベンチに汽車を待つ時、病気の時、無為で困つて居る時、裁判所で検事の出て来るのを待つて居る…

エレミヤ連載中断

預言者エレミヤの連載は中断します。

預言者エレミヤ9

八 『新しい門』で 埃及王ネク二世はユダヤ人に堪へ切れぬ程の重税を負せて帰って終ひましたが、エホヤキム王は悦んで之を毎年毎年支払ひました。それを、エレミヤは黙って居りませんでした。 エレミヤは先づ第一、ネクニ世が近い中にアッシリア軍に大敗する…

預言者エレミヤ8

七 ヨシア王の戦死 その後十三年間、エレミヤは何をしたかは充分知れません。然し、祭司ハバクックや名望家のゼパニアなどと協力一致してヨシア王の宗教改革に奔走したことは確実であります。 けれども埃及とアッシリアの大戦争は益々迫って参りました。ヨシ…

予言者エレミヤ7

六 ひとりぽっち 一人でもお友達於欲しいと思つで居るこの淋しい迫害の時に、神 様はまた 『エレミヤよ、お前は、こゝで妻を娶ってはならない』と仰せられ ました。 勿論エレミヤは信仰の厚い青年でありましたから、之がつらい悲 しいとは申しませんでした。…

予言者エレミヤ6

五 中命記の発見 エレミヤが預言を初めてから六年目にヨシア王の治世の一大事件が起りました。それは宮の中で、祭司の長ヒルギアが、神様からモーセが授かりました申命記と申します書物を宮の修繕をいたして居ります時に見付け出したことでござります。 此本…

予言者エレミヤ5

四 門前の説教 サイシャンの襲来のあった後、間もなく或年の秋のことであります。エレミヤはまた罪と偶像に充ち充ちた国の前途を思ふて、神殿の門に立ちました。そして神様に教へられた通り預言しました。 『ユダヤの凡ての人よ、行を改め偶像を捨てそして全…

予言者エレミヤ4

三 匈奴(サイシャン)来る! それでも反響はありました。と云ふのは王はどしどし世の評判などにおかまいなく、偶偶を破壊する。国民も悪いと感付いたのです。それで続々悔ひ改めるものも起ってまいりました。それらの人々は之れまでの習慣に従ふて、山の頂…

予言者エレミヤ3

二 春の雨が降らない 降るはづの春の雨がひでりつゞきで、こまりあぐんだあと(ユダヤでは一年に十一月頃と二三月頃に二度雨季がありまして、十一月頃のを前の雨と申し、二三月頃のを春の雨或は後の雨と申します) 神様がおほせられますには、 『エレミヤよ…

予言者エレミヤ2

一 神様との初問答 神様から エレミヤに お言葉がかゝりました。 『エレミヤよ。われは おまへを預言者にしたい。これは、おまへがお母さんの腹に居ないときから、そうきめていたのだ』と。 このおことばは、エレミヤには不意でござりました。それでエレミヤ…

予言者エレミヤ1

預言者エレミヤ 序『預言者エレミヤ』は出来るだけ平易に、日曜学校の尋常科の終りの方のかたがたにわかる位の程度で書いた積であります。然し、私は大人の信者諸君にも是非読んで戴きたいのであります。 旧約聖書のエレミヤ記をお読みになったかたは御存知…

弱い者へ熱い生涯 賀川豊彦(読売新聞記事)