2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

少年平和読本(22)あとがき

戦争が放棄され、軍備が全く撤廃されて、いささか不安をだいているやに見える、日本人、特にこれから成長して、新生日本、平和日本をせおって立つ少年少女の頭に、生存競争のみが、真の生命の進化を促すものではなく、むしろ反対に、武装を放棄したものが永…

少年平和読本(21)祖国愛か人類愛か

愛国心だけでは足りない と叫んで銃殺された看護婦の話 恩讐を越えて 両軍が接近して対陣していた。月の美しい晩だった。歩哨が銃を小脇に警戒していると、ふと、目の先の敵陣地に人影の動くのが見えた。敵の歩哨だ! 幸いこっちは月の陰になっていて、敵か…

少年平和読本(20)国と国との憎しみを去れ

四方の海みなはらからと思う世に など波風のたちさわぐらん 明治天皇 臥薪嘗膽の古事 中国の春秋時代に、呉(ご)王夫差(おうふさ)は越の国をたおして、父のあだをうとうとし、復讐の心をわすれぬため、毎夜、たきぎの中に寝て、自分のからだを苦しめたという…

少年平和読本(19)世界連邦を作ろう

世界は「国家時代」から平和な 「全人類時代」に移ろうとしている 世界は狭くなった わたしは今ロンドンにいるが、去年の暮の二十二日の朝、羽田の飛行場を出発し、四日間の空の旅の後、クリスマスの夜はロンドンに着いていたのだった。昔、能因法師は『都を…

ラビンドラナート・タゴール生誕150周年記念祭in 神戸

■タゴールの目指した美の世界 主催:タゴール生誕150年記念会共催:財団法人国際平和協会後援:インド大使館今年2011年は、インドの詩聖であり、アジア初のノーベル文学賞受賞者であるラビンドラナート・タゴールの生誕150周年にあたります。 タゴールは日本…

少年平和読本(18)戦争のない一つの世界へ

アリストテレス以来、世界を一つにしよう という努力はつづけられて来たが 永久平和への願い 昔から多くの学者が、頭をしぼって、どうしたら戦争をふせいで永久平和が実現できるかということを考えた。 アリストテレスという学者などは、『武力か政治力で世…

少年平和読本(17)戦争は避けられる

戦争は文明を進歩させる などという軍国学者にだまされてはならない 戦争は絶滅できるか 戦争は絶滅させることができるだろうか。ブロッホ という 学者は『科学が発達すれば、自然に戦争はできなくなる――』といった。この予言は、ある点まではあたった。原子…

少年平和読本(16)戦場に劣らぬ銃後の犠牲

戦死軍人五に対して戦没市民は一 広島では市民の三分の一が死傷した 一般市民の戦災死者 昔の戦争は軍人のみによって戦われて、一般国民は銃後にあって、そのいのちが危険にさらされるということはなかったが、近代戦争となると、航空機の使用によって戦線と…