2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

平和憲法の売却

平和憲法の売却 日本の政治家の悲劇は、彼らの多くが盲目であると云うことである。自ら平和憲法を作っていながら、それがマッカアサーに強迫せられて議会で通過させたかの如く云いふらしている。「強迫」と議会「協賛」とは同一であるか? 協賛は国民の良心…

世界警察制度を作れ

世界警察制度を作れ ロシアは口に「平和」を唱えて、手で剣を磨き、アメリカは自分が死ぬことをいやがって、人に武装を要求する。 それでも「平和」を口にするだけ、ロシアに少し良心が残っていると考えて善い。いずれにしても、世界が戦争を恐れていること…

ドイツの統一と世界の統一

ドイツの統一と世界の統一 東西ドイツの統一問題ほど、最近世界の注意を集めたものはなかった。東西ドイツの統一は、世界平和に影響するからである。 東ドイツに於ける唯物暴力主義者の政治が甘く行かず、西ドイツに逃げてきたものが、一九四五年より、四年…

世界平和と思想の武装

世界平和と思想の武装 武田信玄は「民はわが城である」と称して城塞を設けなかったと云う。真の武装は人の心の底にある。それは暴力によって征服できない「霊魂力」にある。 「世界連邦」の思想は最もすぐれた武装である。それは何人をも奴隷にせず、すべて…

世界議会・世界裁判所・主権制限

世界議会・世界裁判所・主権制限 現在の国連総会は各国の「国」の代表者の会議であるからこれを上院とし、下院には、世界人民の選挙する世界連邦議会を作るようにしたい。その代表は人口五百万に一人とすると世界で四八○人となる。下院で議決したことに上院…

全世界の軍備撤廃の方へ

全世界の軍備撤廃の方へ 全世界軍備撤廃の方向へ今年も努力すべきである。コメット飛行機でロンドンから東京迄僅二十二時間で飛べる。昔から大名の領地はその日のうちに旅行の出来る地域に限ると云われたものである。 ロンドンから東京迄一日以内に旅行が出…

アジア連邦議会への第一歩

アジア連邦議会への第一歩 アジア連邦議会への第一歩が踏み出された。それは征服によらず、強制によらず、合意と合法による好意の連邦運動の第一歩として、雄大な構想が夢よりも濃く、しかし、現実の世界に画き出された。世界連邦アジア会議広島大会がそれで…

世界歴史の一章を書け

世界歴史の一章を書け ――征服なき世界国家の建設を急ぐ―― 世界連邦シカゴ案は、アジア地区を三つに分類して、極東地区(日本・支那・朝鮮)印度地区及び南洋地区の三地域としている。然し、この三地域は、昔から宗教的にも、経済的にも、一つの地域として互…

アジア連邦議会を作れ

アジア連邦議会を作れ アジア十四ヶ国はすべからくアジア連邦議会を作り、欧州連邦議会と相呼応して速かに連邦構成の途を開くべきである。 アジアの諸国民は、印度の一部を除き、大部分が蒙古人種であり、黄色人種であり、西洋諸国が白色人種を主力としてい…

世界的なものは個性の自覚に基く

世界的なものは個性の自覚に基く 世界統一を夢みた凡ての権力が失敗した。その反対に、キリストや、釈迦や、孔子の如き、個性に基く愛や、仁の運動が世界に拡まって行ったのは何故だろうか? それは、権力、武力の如き、外的制約がなく、国家、民族の如く、…

デンマークの前進

デンマークの前進 ――コペンハーゲン世界連邦世界大会の意義―― ヨーロッパ連邦の進展とともに、西欧の諸国は各々その憲法を改正している。オランダは、一九五二年の冬、その主権を制限し、ヨーロッパ連邦及び世界連邦の組織に突進することが明瞭にした。 一九…

全人の自覚と世界連邦

全人の自覚と世界連邦 国際連盟は、ドイツとイタリーと日本の脱退で破壊せられ、ソ連の拒否権の乱用で、国際連合も半身不髄に陥っている。世界の主権国家が絶対主権をふりまわして、我がまゝを云っている間は、幾十回国際連盟を作っても、それは無効に終るで…

日本の安全保障と世界連邦運動

日本の安全保障と世界連邦運動 日本の安全保障の問題が、議会で、やかましく討議されている。生存競争に力をいれると貝殻の様になり、発展は止まってしまう。スペインも、ポルトガルも、オランダも、イギリスも、十六世紀以後、植民地戦争に力を入れたものは…

集団保障の進化と世界連邦

集団保障の進化と世界連邦 屈折、歪曲はあっても、とにかく、世界における集団保障の範囲が拡大しつゝ、進化していることは否定できない事実である。むかし一国の領土は、一日の旅行の範囲によると云われたが、馬や人間の走る範囲は限定されていた。それが、…

安全保障と世界警察

安全保障と世界警察 軍隊と警察の差は、裁判過程を経るか否かにある。軍隊は秘密に行動し、警察は公然と行動する。軍隊は攻撃を意味することがあり、警察は防衛のみを意味する。両者とも強権を使用するが、軍隊は、人格社会の連帯的意識を背景として持たず、…

世界連邦と教育社会主義

世界連邦と教育社会主義 マルクスは「万国の労働者よ団結せよ」と云う。そして、レニンはマルクスの云う階級国家は暴力のほかに建設できないと考えた。そして独裁国家の必要性をとき、ついに、ロマ帝国主義への逆転が、マルクスよりヒットラーにいたる現代政…

主権の制限と世界国家

主権の制限と世界国家 フランスとイタリーは、その新憲法に、主権を制限して、世界連邦国家に参加すべきことを用意している。世界の諸国家――アメリカも、ロシアも、これにならい、その主権を制限して、軍事と外交に関する限り、これを世界連邦に委譲すること…

シューマン・プランの教うるもの

世界の危機とその救 ――シューマン・プランの教うるもの―― 鉄と石炭の宝庫 第一次世界大戦の結果、ドイツは鉄と石炭の宝庫=アルザスローレンを、フランスに割譲しなければならなくなったが、その後、人民一般投票によって同地方は独立国家を作ることゝなり、…

征服国家と好意連邦

征服国家と好意連邦 世界歴史を貫く一つの真理は、暴力によって、かつて世界国家が成立し得なかったことである。それにかかわらず、レニン、スターリン、毛沢東は、暴力によって、世界国家が出来ると思うている。 自主自営の国家組織は、互助犠牲の精神を憲…

ケアの贈りもの 国際平和協会機関誌「世界国家」(一九五一年一月号)

ケアの贈りもの きのうの敵国日本国へ、アメリカから贈られたケア物資が、昭和二十三年七月以降、今日までに十万個、約百万ドル(三億六千万円)に達したと聞いて、いかなる日本人も、感謝しないではいられないであろう。これは「敵を愛せよ」といわれたキリ…

飛行機文明の時代国際平和協会機関誌「世界国家」(一九五一年一月号)

飛行機文明の時代 ――国境争いは鳥が笑おう―― 人間は、なぜ戦争をするのだろう。なぜ人間同志、相愛しないのだろう。まるで蝸牛角上の争いではないか。この態度を改めねば、人類の滅亡する日も近いであろう。 わたしは欧州の空を、太西洋の空を、そして今、ア…

十字架意識に目ざめよ 国際平和協会機関誌「世界国家」(一九五〇年十一月号)

十字架意識に目ざめよ 此度ドイツを旅行して、最も感心したことは、ルーテル派の平信徒兄弟愛運動(ゲマインシャフト・ベウェグング)を始めとして、無料看護婦や、母の家などの愛の奉仕運動の盛んなことだった。彼らは、唯物共産主義では世界は決して救われ…

平和へのたたかい 国際平和協会機関誌「世界国家」(一九五〇年六月号)

平和へのたたかい ライン河畔をケルンからボンまで走り、ゴテスボルグの丘の上にある大統領官舎で、ホイス西独大統領と会って、聞きえたことの一つは、この国において共産党が、だんだん勢力を失っておることである。このことは東ドイツでも同じであり、「も…

社会科学の進歩と世界連邦 国際平和協会機関誌「世界国家」(一九五〇年一月号)

社会科学の進歩と世界連邦 世界連邦運動に、三つの大きな反対論がある。第一は哲学的反対論である。主として生存競争の哲学より平和運動に反対する。第二は感情的反対論である。人間の努力で世界平和は来ない、神のみが平和を与え得るものとして、世界の終末…