アジア連邦議会を作れ
アジア連邦議会を作れ
アジア十四ヶ国はすべからくアジア連邦議会を作り、欧州連邦議会と相呼応して速かに連邦構成の途を開くべきである。
アジアの諸国民は、印度の一部を除き、大部分が蒙古人種であり、黄色人種であり、西洋諸国が白色人種を主力としているのに対比できる。しかし、その歴史が古い割合に最近まで西洋諸国の殖民地的地位におかれていた。幸いに、太平洋戦争後八ヶ国が独立した。この独立を再び侵略されないようにする必要がある。名目を替えて新しき侵略を志すものがある。それを防ぐ唯一の途は相互扶助であり。集団保障である。
侵略より発明がどれだけ人類を益するか知れない。経済的にも互助の道は進歩の途である。アジアにはまだ宝庫が隠れている。未開発地も多く、また調整されねばならぬ沙漠と不粍の土地も多い。それに人口の多いことも他の大陸以上である。あらゆる点からみてアジアは団結して、相互扶助の新天地をつくるべきである。
侵略の幕は閉じた。これからは覚醒の時である。その第一歩は共栄共存の連邦意識を成立させなければならぬ。戦争を避け、発明と発見によって、搾取の無い社会を産みだす工夫は連邦議会と協同組合貿易の外にはない。先ず毎年四回アジア十四ヶ国の外相会議をひらき、年一回各国議会の外務委員会を開催し、アジアに於ける恒久平和の途を備える可きである。かくの如き世界に於ける地区議会が迎合すれば、やがて世界連邦への近道が開かれるであろう。 (一九五二年十月号)