『石の枕を立てて』

賀川豊彦の自伝小説『石の枕を立てて』をkindleshopにアップしました。『死線を越えて』三部作の続編です。

社会的弱者の友として―賀川豊彦の生涯

Christian Todayで「社会的弱者の友として―賀川豊彦の生涯」の連載が始まっています。 http://www.christiantoday.co.jp/articles/18469/20160107/kagawa-toyohiko-1.htm社会的弱者の友として―賀川豊彦の生涯(1)暗い出生 2016年1月7日21時09分 執筆者 : …

アメリカ協同組合運動のなかの賀川豊彦

アメリカ協同組合運動のなかの賀川豊彦 ―一九三〇年代を中心として― 井上央 賀川豊彦は生涯に七度、アメリカの大地を踏んだ。彼がアメリカに、アメリカが彼にどのような影響を与えたかを整理する機会(1)があったので報告する。ここでは十五年戦争以前を概略…

『死線を越えて』の売れ行き

1920年10月3日、『死線を越えて』は改造社から発売された。 「毎日トラックが店先に並び店員は列をなして掛け声とともに『死線を越えて』を手渡しつつトラックに積み込んだ」 刷る先から売れ、在庫は一字もなかった。2カ月に8刷。当時の1刷は5000部であるか…

Brotherhood Economics english version

Brotherhood Economics english version will be publishied from 22 Feb. at Kindle shop. アメリカが世界恐慌後、経済的に困難にあった時、賀川豊彦は協同組合運動の専門家としてアメリカに招聘され、1936年秋、ニューヨーク州ロチェスター大学のラウシェ…

Preface of Brotherhood Economics

Once more in the twentieth century I am reflecting on the words of the Lord Jesus, when he said, "Those who merely repeat 'Lord, Lord,' cannot enter into Heaven, but only those who really practice His words will do so." I have never heard …

宇宙の目的を英訳したヘイスティング氏、徳島大で講演

私の科学の第一ペーヂ

八六 私の科学の第一ペーヂ 平凡なる周囲の事物の研究から、私の科学の第一ペーヂを初めたい。私は、自分の立つてゐる土の性質に就いて知り度い。小石に刻まれたる断層の起原に就いて学び度い。路傍の雑草の生活内容に就いて、その秘密を教へて貰ひ度い。自…

貧乏の享楽

二三 貧乏の享楽 私は貧乏を享楽してゐる。 多く持つことは悲しい事である。何も持たなければ、面倒くさいことがすくない。 斯う云ふ意味は、何も衣食住に不足したい、と云ふ意味ではない。どうにか、こうにか喰へてさへ行けば、私は大きな家に住みたくない…

二 炎天下のバラツク

二 炎天下のバラツク バフツクは室内九十五度で、午前十一時過ぎはもう仕事も何にも出来ない。今年の夏の苦しみは誠に今から想像がつく、本所のバラツクの不良状態を研究したところが、五千二十二戸の直ちに改良を要すべき不良住宅が見付かつた。この状態で…

一 アンペラ御殿を中心として

一 アンペラ御殿を中心として 貧乏人でも家を建てる いつか、貧乏な私だつて、家の一つ位建てたいと思つて居た。恰度武蔵野の林間学校の炊事小屋を取毀さなければならなくなつたので、それを私の勉強室に改造することにした。 それまで私は、『死線を越えて…

カインとアベル

詩人バイロンは、人類の父祖、アダムの二人の子が、喧嘩したこのを批評して、カインは、平和なる野菜を神に捧げ、アベルは、血生臭い羊を祭壇に持つて行き、神はアベルを嘉納して、カインを退けたが、カインが怒るのは、当然であると云ふて居る。 私はそれに…

韓国で進む賀川再評価

日韓国交正常化50周年を記念して、同志社大学大学院社会研究科助手で日本基督教団洛陽教会協力宣教師の李善恵(イ・ソンヘ)氏による講演「賀川豊彦と韓国」が9月19日、賀川記念館(神戸市)で行われた。 クリスチャンツウデイ 李善恵氏によれば、2009年に…

理想的生活

高知に帰って生活して4年半になる。年金生活者ではあるが、他人にすがる生活が厭になったからである。何でも自分でこなせる生活に一歩でも近づきたい。そんな思いがある。囲炉裏部屋の大工仕事も半分は自分でやった。木炭を焼くことも自分でエネルギー源を…

ユズ絞り

二週間前から、ユズを搾り始めた。60を過ぎた年で初めて知る喜びである。ユズ耕作放棄地ではあるが、許可を得て、ユズ玉を摘み、自ら絞り、金曜市で自ら販売する。すべての工程に関わることの楽しさはやってみなければ分からない。作業場の車庫も車の中も、…

命の捨所

2014年に全国の警察が把握した自殺者数は2万5374だったそうだ。賀川豊彦『暗中隻語』に「命の捨所」というコラムがあり、1925年当時、自殺数は1万5000人とあるから、人口比でいえば、日本は今も昔もあまり変わらない自殺大国だ。 日本には、最近著しく自殺者…

キリスト者賀川豊彦と京都

京都大学の文学研究科 思想文化学専攻 キリスト教学研究室のStig Lindberg助教が次のような授業を行っています。 キリスト者賀川豊彦と京都

魂に国境はない

魂には国境はない。釈迦は印度人でもなければ、日本人でもない。彼は魂の世界に属してゐる。キリストだつて然うだ。彼はユダヤに生れたが、ユダヤ人に属しては居ない。地球に属してゐる。否世界に属して居る。ユウクリツド幾何学に国境があるか。電気工学に…

暗中隻語と尽きせぬ油壺

『尽きせぬ油壺』のテキスト化が終わった。昨日から『暗中隻語』の取りかかっている。ヘイスティング博士が9月、『A Few Words in the Dark: Selected Meditations』と題して翻訳出版した話を聞いたからである。負けてはならじとばかりに、今、馬力をかけて…

ユニバースとコスモ

プリンストン大学のヘイスティング博士が徳島市で講演するというので、20日、妻と聞きに行った。在日23年という日本通であり、賀川豊彦をこよなく尊敬する牧師でもある。昨年、賀川の『宇宙の目的』を翻訳した。賀川が生涯をかけて書き上げた作品は難解であ…

賀川豊彦作品が次々Kindleに登場

http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Ddigital-text&field-keywords=%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%8D%94%E4%BC%9A&rh=n%3A2250738051%2Ck%3A%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%B9…

電子版『小説キリスト』Kindleで発売

賀川豊彦著『小説キリスト』の電子版をKindle Shopで発売します。7月31日発売です。これから賀川の作品を相次いでアップする予定です。価格は520円。ぜひともご購入下さるようお願い申し上げます。 http://www.amazon.co.jp/dp/B012AZS2RK賀川豊彦が描く小説…

神の国運動とその著作

1927年、神の国運動を始めた賀川豊彦は出版社の協力を得て、その講演録を次々と安価な著作として世に送った。 「神による開放」 「尽きざる油壺」 「魂の彫刻」 「残されたる棘」 「イエスの宗教とその心理」 「イエスと人類愛の内容」 「人類への宣言」新約…

農民福音学校が1927年2月開講

今度私の家で農民福音学校と云ふのが開かれる。之は農民伝道の中核を為すものであって、農村の青年であって、宗教的に農村を改造せんとする者に開かれるものである。一ケ月間私共と一緒に寝起きして宗教的に社会的に訓練を受けるのである。校長は杉山元次郎…

壁の声きく時(随筆集『地殻を破って』から)

壁の声きく時 石の叫ぶ日に私は壁の声をきく.私の孤独は凡ての無生物の友人によつて慰められる。私は何一つとしてその声をきかぬものはない。 ステーシヨンの、ベンチに汽車を待つ時、病気の時、無為で困つて居る時、裁判所で検事の出て来るのを待つて居る…

エレミヤ連載中断

預言者エレミヤの連載は中断します。

預言者エレミヤ9

八 『新しい門』で 埃及王ネク二世はユダヤ人に堪へ切れぬ程の重税を負せて帰って終ひましたが、エホヤキム王は悦んで之を毎年毎年支払ひました。それを、エレミヤは黙って居りませんでした。 エレミヤは先づ第一、ネクニ世が近い中にアッシリア軍に大敗する…

預言者エレミヤ8

七 ヨシア王の戦死 その後十三年間、エレミヤは何をしたかは充分知れません。然し、祭司ハバクックや名望家のゼパニアなどと協力一致してヨシア王の宗教改革に奔走したことは確実であります。 けれども埃及とアッシリアの大戦争は益々迫って参りました。ヨシ…

予言者エレミヤ7

六 ひとりぽっち 一人でもお友達於欲しいと思つで居るこの淋しい迫害の時に、神 様はまた 『エレミヤよ、お前は、こゝで妻を娶ってはならない』と仰せられ ました。 勿論エレミヤは信仰の厚い青年でありましたから、之がつらい悲 しいとは申しませんでした。…

予言者エレミヤ6

五 中命記の発見 エレミヤが預言を初めてから六年目にヨシア王の治世の一大事件が起りました。それは宮の中で、祭司の長ヒルギアが、神様からモーセが授かりました申命記と申します書物を宮の修繕をいたして居ります時に見付け出したことでござります。 此本…