韓国で進む賀川再評価

日韓国交正常化50周年を記念して、同志社大学大学院社会研究科助手で日本基督教団洛陽教会協力宣教師の李善恵(イ・ソンヘ)氏による講演「賀川豊彦と韓国」が9月19日、賀川記念館(神戸市)で行われた。
 クリスチャンツウデイ
 李善恵氏によれば、2009年には、「社会宣教献身100周年」と題して賀川をテーマにシンポジウムがソウルで行われるなど、最近注目が集まっているという。

 その理由として、李氏は2つを挙げる。1つは、日本と同様、韓国では経済格差が広がっており、キリスト教と社会運動という視点から興味が集まっているためだ。また、韓国では2012年に協同組合基本法が制定され、7759団体の協同組合(2015年現在)が活動しているが、その約半数は出資金50万円以下、組合員数は平均8・8人程度と小規模であり、大半の協同組合が経済的に自立できていないという問題があるという。協同組合の精神を見つめ直す視点からも、賀川に関する研究が増えており、その生涯を描いたマンガも出版されているという。