2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「賀川豊彦と友愛社会の未来」シンポジウムに500人参加

賀川豊彦健診100年記念事業・東京プロジェクト主催の「賀川豊彦と友愛社会の未来」と題するシンポジウムが29日、東京都港区の明治学院大学で開かれた。 国際基督教大学の最上敏樹教授が「寛容の再生のために」をテーマに基調講演し、阿部志郎神奈川県立保…

5月1日、煤煙の町、大阪の空中に突如、楽園都市が出現!

賀川豊彦の風刺小説『空中制服』(不二出版)は5月1日発売だが、28日に東京・中野区の東京都生協連で開催された野尻武敏神戸大学名誉教授の講演会には印刷されたばかりの“著作”が陳列された。賀川関連の最近の出版5冊が並ぶとそれなりにすごいことが起…

貧困との闘い克明に 賀川豊彦著「死線を越えて」復刻 【神戸新聞】

神戸市生まれの社会運動家、賀川豊彦(一八八八-一九六〇年)が大正時代に著した自伝的小説「死線を越えて」が、PHP研究所(京都、東京)から復刻された。一九八三(昭和五十八)年に出た文庫版が今世紀に入り絶版後、待ち望まれていた復刻。生涯にわたり…

世界平和に向かって人々はどう努力したか(2)  賀川豊彦

近代国家の侵略戦争 近世になって、各民族はそれぞれ王を擁立して国内の統一をはかり、近代国家を作りましたが、その勢力が強大になるにつれ漸時周囲の弱小国家へ手を伸ばし、その領土を広げるようになり、そのため、世界の至るところに戦争が誘発される結果…

世界平和に向かって人々はどう努力したか(1)  賀川豊彦

平和へのあこがれ 世界の歴史は戦争の歴史だということを前に述べました。戦争は人類の歴史と共にあったのです。しかし人類は好んで戦争をしたかといえば、決してそうではありません。大昔でも、心ある者は、戦争よりも平和を欲していました。少なくとも平和…

世界の変貌−交通編 賀川豊彦

土つかずの世界旅行 背に負わるこの幼な児よ わが死後の いかなる時世に大きくなるらむ 斎藤茂吉 地球は少しのたゆみもなく回転し、世界は日進月歩の進歩発達を見せています。きのうの世界は最早、今日の世界ではないのです。うっかりしていては、時勢の進歩…

原子爆弾の話 賀川豊彦

おそろしい原爆の威力 世界連邦論者のノーマン・カズンズがいったように、1945年8月6日、原子爆弾を包んだパラシュートが、広島の上空にただよい降りた時から、人類の歴史は新しい段階にはいりました。「原子時代」とでも申すのでしょう。戦争の方法に…

「世界国家の話」(8)−人種平等の原則 賀川豊彦

白人のほか、お断り 世界憲法のシカゴ案が最も力を注いでいるのは、前回にお話しした経済的平等と、もう一つは人種平等の原則です。あらゆる人種的差別は撤廃されて、全地球上の人種は一切平等の権利義務をもつというのです。 今日では、もうそんなことはあ…

望遠/広角:賀川豊彦の破天荒な魅力と危うさ【毎日新聞4月16日夕刊】

望遠/広角:賀川豊彦の破天荒な魅力と危うさ キリスト教思想家、社会運動家の賀川豊彦(1888〜1960年)ほど、没後急速に知名度を失った人物は珍しいだろう。何しろ大正期に出た自伝的小説『死線を越えて』は3部作合わせて400万部のベストセラー…

平成に蘇った『死線を越えて』 PHPが復刊

社会運動家、賀川豊彦の大正期のベストセラー『死線を越えて』がPHP研究所から復刻された。賀川が神戸のスラムで献身活動を始めたのが100年前。世界的な経済危機のさなか、貧困が再び社会問題化する世相にもう一度読みたい一冊だ。 同書の初版が改造社…

賀川豊彦献身100年記念番組

FEBC(キリスト教放送局)で4月25日から「賀川豊彦献身100年記念番組」が連続6回で放送されます。放送の内容は4月15日、『賀川豊彦を知ってますか』(教文館)から発売されました。 http://febcjp.seesaa.net/article/117230056.html「賀川豊彦」…

世界国家の話(7)−経済平等の原則 賀川豊彦

社会主義的だとの批判 世界憲法シカゴ案の人権宣言は、フランス革命やアメリカ独立の際のそれぞれにくらべて、はるかに具体的で、また端的、率直です。特に貧困の束縛、奴隷的搾取的な労働からの解放や、人種的、民族的征服からの個人および集団の保護を規定…

世界国家の話(6)−基本的人権について 賀川豊彦

経済、社会、文化面 今日の世界をながめて見ますと、貧富の懸隔は甚だしく、経済的搾取は公然と行われて、そのために労使間の闘争は絶えることがありません。社会的不安は、ますます募るばかりで、人種や皮膚の色による差別も、依然として激しく、また経済方…

世界国家の話(5)−軍隊はどうなるか 賀川豊彦

戦争は過去のものがたり 立法、司法、行政がすみましたから、こんどは軍隊です。 世界連邦は前にも記したように、地球全地の人民の、人間としての精神的優位と物質的福祉増進を目的として組織される法治社会で、そのために、世界平和は絶対必要条件です。 間…

世界国家の話(4)−司法権と護民官 賀川豊彦

世界共和国では、前に申したように人種差別を始めとし、階級、性、信条、教義等の差別を禁じ、以前には、しばしばそれが戦争の原因となった物資原料の入手や、土地のエネルギー源の利用などについての妨害行為を禁じまた一切の奴隷労働を厳禁し、その他交通…

世界国家の話(3)−連邦議会と大統領 賀川豊彦

無政府状態の世界 世界国家は一つの法で治められる社会ですから、法律が一ばんモノをいいます。今日の世界では、なるほど、各国家の内部だけでは、それぞれ法があり、法によって治められていますが、これが世界ということになると世界法は定められておらず、…

世界国家の話(2)−国家の終焉 賀川豊彦

「最近の攻撃武器の発達は、歴史上その比を見ない大量の人殺しの手段を作り出しました。これ等の兵器は他からの攻撃を防ぐというよりは、はるかに侵略に役立ちます。ですから、もし将来戦争の起きるのを放任すれば、人類の大部分は滅び、都市は壊され、土地…

世界国家の話(1) 原子爆弾の危険 賀川豊彦

戦争は絶滅させることができるでしょうか。ブロッホという学者は「科学が発達すれば、自然に戦争はできなくなる――」と申しました。この予言は或る点までは的中しました。原子爆弾や水素爆弾が出来たというので、米ソ戦争もないだろうといわれているのでもわ…

四方の海みな同胞 賀川豊彦

中国の春秋時代に、呉王夫差が、越の国を伐つて、父の仇を報じようと志し、復讐の心を忘れぬため、毎夜、薪の中に寝て、自ら身を苦しめたといいます。また一方、越王匂踐も、呉の国を伐つて、会稽の恥をそそごうと志し、膽を室内に掛けて、これを嘗め、片時…

侵略者の末路 賀川豊彦

昔ロシアの或る田舎に一人の貧しい百姓が住んでいました。自分の所有地が少ししかないので「もつとたくさんの土地がほしいなあ」と言い暮らしていました。すると或る大地主がそれを聞いて『では、これから馬に乗つて、夜までの間に、ほしいと思う廣さの地面…

家畜になった百獣の王 賀川豊彦

狼は子羊と、豹は子山羊と共に臥し、仔羊や牡獅子は肥えた家畜と一しょに居て、小さい人間の童に導かれ、牡牛と熊とは同じうつわの食物をとり、熊の子と牛の子が一つところに住む。そして獅子は牛のように藁を食い、人間の乳呑児は毒蛇の住む洞穴の中でたわ…

小鳥の世界 賀川豊彦

お互いに憎しみあい、奪い合い、殺し合いをして、道徳の愛も忘れている人間は、小鳥にその純潔と、道徳とを教えてもらわねばなるまい、とわたしは思います。 平和な小鳥の世界! 小鳥は、仲間同士相睦み、相助け合い、わずかの穀粒で満足して敢えて貧らず、…

献身100年の4月のトピックス

3月7−9日の神戸におけるムハマド・ユヌス氏を迎えたシンポジウムが終わり、賀川豊彦献身100年記念事業は4月から東京プロジェクト主催のシンポジウムを中心に映画「死線を越えて」の上映会、講演会などの開催が相次ぎます。出版の方も『死線を越えて』…

『賀川豊彦を知っていますか』は15日発売!

賀川豊彦を知っていますか―人と信仰と思想―(教文館、04月15日発売、1050円) 《阿部志郎・雨宮栄一・武田清子・森田進・古屋安雄・加山久夫》 明治・大正・昭和にかけて、人格や人権が尊重される公正で平和な社会を実現するために全生涯をささげた賀川豊彦…