2012-01-01から1年間の記事一覧

病院の語源は「親切」という賀川の解説

賀川豊彦の『十字架に於ける瞑想』を読んで面白い部分があった。病院は英語でHospital。本来は「親切院」でなければならない。そして病院は医者がつくったのではなく、看護師がつくったのだというのだ。以下、その部分を転載します。 - 日本の看護婦が給料の…

意識的平和機構としての世界連邦

意識的平和機構としての世界連邦 機械的平和運動の平和運動は権力国家を連合させると、それで平和がくると考える簡単な機械主義から来る。暇がかゝり、人間の意識の覚醒を待った上で、それを綜合して平和機構を造ろうと云うのが、世界連邦の運動である。 或…

世界国家と武装解除

世界国家と武装解除 世界連邦主義者の四提案 今日人類は核兵器時代の到来と共に重大な時期に直面している。この解決策として、世界国家の設立は絶対に必要である。ヨーロッパの世界連邦主義者は、この世界国家について現今の国連を進化させるとよいという案…

平和手段による搾取なき世界の創造

平和手段による搾取なき世界の創造 人間的社会科学を基礎として 真の科学的社会主義世界の創造は、暴力によらざる世界の組織構造を発明せねばならない。今日、米国とカナダの間に戦争はない。しかし、資本主義社会に於ける搾取の組織は残っている。この搾収…

世界平和と社会進化

世界平和と社会進化 一日にして、世界連邦が出来たとしても、人類の意識的組織が本質的に固つて来なければ、恒久平和はくるものでは無い。人類の意識的組織は、社会、経済、教育、芸術、倫理、文化、等の各種組織の外に、宗教の進化も大きな要素を持つ。大戦…

原子力と世界連邦

原子力と世界連邦 太平洋のいわし 米国太平洋沿岸の漁業は危機に瀕している。サンフランシスコに近いモントレーといわれる漁港では、一九四九年から、いわしが全くとれなくなった。これは同年、第一回のビキ二における原子爆弾の実験が行われ、いわしが北太…

台所の隅から起る大衆運動を

台所の隅から起る大衆運動を 世界情勢は冷い戦争から冷い平和へと移ってきている。その大きな理由はロシアにおける昨年の農業の不作が原因だといわれている。マレンコフからブルガーニンへと政権が移っても、この大勢にはかわりがない。西ドイツが独立し、オ…

世界的法治社会の建設

世界的法治社会の建設 マレンコフ内閣が崩壊した。そして、ブルガニン元帥が表面に出てきた。周恩来は台湾は中共の領土であると主張し、ソ連の外相モロトフは周恩来の主張を裏書きした。そして台湾海峡米国第七艦隊は、台湾守備に急がしい。 戦意は戦意は産…

平和は生活より始めよ

平和は生活より始めよ ――万国郵便同盟に学べ―― 世界平和は生活の上に築く可きものである。抽象的な平和論を百万回述べ立てた所で、世界平和は来ない。生活の安定がくずれると平和はすぐ破れる。だから。世界食糧資源の問題、世界人口の増加世界労働状勢、世…

世界主権制限会議を開け

世界主権制限会議を開け 今年一九五五年こそ、国連憲章改正の年である。ロシアも、マレンコフの譲歩によって「反宗教」運動を停止し、自由主義国家と協調しようと云うことに歩み寄って来た。アメリカも戦争主義による平和の維持の無効なことに気がつき出した…

国際協同組合と世界連邦

国際協同組合と世界連邦 世界連邦を虹のようなものだと考えてはならない。虹ならば――すぐ消えるであろう。しかし世界連邦は政治的に、社会的に、経済に、道徳的に、宗教的に、教育的に組立てられるものである。日常の平和闘争なくして世界連邦を築くことはで…

フランスの悲劇

フランスの悲劇 ――生活の自由なくして平和はない―― 仏印デエン・ピエン・フー要塞の陥落は、新しき悲劇を展開した。フランスは戦争すれば必ず敗けるにきまっているのだ。第一次大戦も、英米の応援で辛うじて敗北を喰い止め、第二次大戦も同様であった。そし…

人類の自殺か世界連邦か

人類の自殺か世界連邦か 全人類の自殺か? 世界連邦制による平和確保か? ビキニの水爆の実験は、その破壊力があまりに大きいので、全世界を驚かした。米国自身があまりその被害の大きいことに驚いたらしい。今だに、日本の各地に放射能の雨がふり、マグロ漁…

人類連帯意識の教育

人類連帯意識の教育 世界連邦の達成は、人類連帯意識の教育を除外して絶対に不可能である。それは幼稚園教育から始めなければならない。幼稚園の創始者フレエベルは子供に蟻をさえ殺すことを禁じた。それだけの立派な教育を受けたものでも、中学校、高等学校…

ベルリン会議と欧州の平和

ベルリン会議と欧州の平和 ドイツ統一問題とオーストリアの独立問題を中心にして、ベルリン会議が開かれている。 ドイツは一九五〇年頃西ドイツへ、東ドイツから千七百万人逃亡し、東ドイツには千九百万人残って居り、二百万人を除く外はルーテル教会の信徒…

不滅社会の創造

不滅社会の創造 武力や暴力で破壊出来ない世界は、叡智の世界であり、愛の世界である。いな武力や暴力がとゞかない世界にまで知識を進める必要がある。人類は知識が進歩した為に、猛獣から逃げる道を知っていた。高度に知識を進歩させ、社会連帯意識を発達さ…

世界平和と生活の平和

世界平和と生活の平和 コッペンハーゲンの世界連邦大会の決議録を読んで、特に感じることは、世界政治の運動が日常の生活問題と固く結んで前進せねばならぬと云うことである。 ロード・ボイド・オアが云う如く、世界に於ける食糧問題の安定が無ければ、国際…

平和憲法の売却

平和憲法の売却 日本の政治家の悲劇は、彼らの多くが盲目であると云うことである。自ら平和憲法を作っていながら、それがマッカアサーに強迫せられて議会で通過させたかの如く云いふらしている。「強迫」と議会「協賛」とは同一であるか? 協賛は国民の良心…

世界警察制度を作れ

世界警察制度を作れ ロシアは口に「平和」を唱えて、手で剣を磨き、アメリカは自分が死ぬことをいやがって、人に武装を要求する。 それでも「平和」を口にするだけ、ロシアに少し良心が残っていると考えて善い。いずれにしても、世界が戦争を恐れていること…

ドイツの統一と世界の統一

ドイツの統一と世界の統一 東西ドイツの統一問題ほど、最近世界の注意を集めたものはなかった。東西ドイツの統一は、世界平和に影響するからである。 東ドイツに於ける唯物暴力主義者の政治が甘く行かず、西ドイツに逃げてきたものが、一九四五年より、四年…

世界平和と思想の武装

世界平和と思想の武装 武田信玄は「民はわが城である」と称して城塞を設けなかったと云う。真の武装は人の心の底にある。それは暴力によって征服できない「霊魂力」にある。 「世界連邦」の思想は最もすぐれた武装である。それは何人をも奴隷にせず、すべて…

世界議会・世界裁判所・主権制限

世界議会・世界裁判所・主権制限 現在の国連総会は各国の「国」の代表者の会議であるからこれを上院とし、下院には、世界人民の選挙する世界連邦議会を作るようにしたい。その代表は人口五百万に一人とすると世界で四八○人となる。下院で議決したことに上院…

全世界の軍備撤廃の方へ

全世界の軍備撤廃の方へ 全世界軍備撤廃の方向へ今年も努力すべきである。コメット飛行機でロンドンから東京迄僅二十二時間で飛べる。昔から大名の領地はその日のうちに旅行の出来る地域に限ると云われたものである。 ロンドンから東京迄一日以内に旅行が出…

アジア連邦議会への第一歩

アジア連邦議会への第一歩 アジア連邦議会への第一歩が踏み出された。それは征服によらず、強制によらず、合意と合法による好意の連邦運動の第一歩として、雄大な構想が夢よりも濃く、しかし、現実の世界に画き出された。世界連邦アジア会議広島大会がそれで…

世界歴史の一章を書け

世界歴史の一章を書け ――征服なき世界国家の建設を急ぐ―― 世界連邦シカゴ案は、アジア地区を三つに分類して、極東地区(日本・支那・朝鮮)印度地区及び南洋地区の三地域としている。然し、この三地域は、昔から宗教的にも、経済的にも、一つの地域として互…

アジア連邦議会を作れ

アジア連邦議会を作れ アジア十四ヶ国はすべからくアジア連邦議会を作り、欧州連邦議会と相呼応して速かに連邦構成の途を開くべきである。 アジアの諸国民は、印度の一部を除き、大部分が蒙古人種であり、黄色人種であり、西洋諸国が白色人種を主力としてい…

世界的なものは個性の自覚に基く

世界的なものは個性の自覚に基く 世界統一を夢みた凡ての権力が失敗した。その反対に、キリストや、釈迦や、孔子の如き、個性に基く愛や、仁の運動が世界に拡まって行ったのは何故だろうか? それは、権力、武力の如き、外的制約がなく、国家、民族の如く、…

デンマークの前進

デンマークの前進 ――コペンハーゲン世界連邦世界大会の意義―― ヨーロッパ連邦の進展とともに、西欧の諸国は各々その憲法を改正している。オランダは、一九五二年の冬、その主権を制限し、ヨーロッパ連邦及び世界連邦の組織に突進することが明瞭にした。 一九…

全人の自覚と世界連邦

全人の自覚と世界連邦 国際連盟は、ドイツとイタリーと日本の脱退で破壊せられ、ソ連の拒否権の乱用で、国際連合も半身不髄に陥っている。世界の主権国家が絶対主権をふりまわして、我がまゝを云っている間は、幾十回国際連盟を作っても、それは無効に終るで…

日本の安全保障と世界連邦運動

日本の安全保障と世界連邦運動 日本の安全保障の問題が、議会で、やかましく討議されている。生存競争に力をいれると貝殻の様になり、発展は止まってしまう。スペインも、ポルトガルも、オランダも、イギリスも、十六世紀以後、植民地戦争に力を入れたものは…