平和憲法の売却

  平和憲法の売却

 日本の政治家の悲劇は、彼らの多くが盲目であると云うことである。自ら平和憲法を作っていながら、それがマッカアサーに強迫せられて議会で通過させたかの如く云いふらしている。

「強迫」と議会「協賛」とは同一であるか?
 協賛は国民の良心を代表して議決したのではないか?

 一旦、議会が古今絶無の理想主義的な憲法を通過させた以上「総懺悔」の精神を世界人類に徹底せしむることが、日本民族の使命ではなかつたか?

 歴史の笑いものとなり、日本民族が信頼に足らない良心の痲痺した民族であることを万世までに記録するのが、戦後派の政治家達である。アジアの共産主義者は、日本の無防備につけ込んで、侵略主義に出るならば、それ自身既に共産主義では無く「帝国」主義である。侵略主義に対抗する為めには、万国的警察制度を、採用すべきであって、日本の軍備だけを再現すべきではない。

 この点アメリカのキリストの弟子達、国連主義者、世界連邦主義者も、日本の平和憲法を総立ちになって、擁護すべきである。  (一九五三年十二月号)