2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

神戸ではまだ平積みの賀川本

「三ノ宮の駅前ビルの上にあるジュンク堂では、いまだ賀川の本が平積みだ」(入口近くの売れ筋コーナー、撮影=賀川督明) 賀川関連本は大きく宣伝されたわけではないが、静かに売り上げを維持しているようだ。取材によると、劇画『死線を越えて』(家の光協…

ワシントン大聖堂の賀川豊彦像

撮影:濱田陽・帝京大学准教授

エンゲルスの「空想から科学へ」と賀川

内田樹『日本辺境論』(新潮新書)に次のようなくだりがある。 エンゲルスの『空想から科学へ』で3人のユートピアン(空想的社会主義者)を描いている。ロバート・オーエンはその一人。「ヨーロッパ思想史が教えてくれるのは社会の根源的変革が必要なとき、…

世界国家19 無 言 賦(1948年6月号)

無事なる時、無難なる時、多難を知り、多事を予則し、悠々天と共に黙し、梢の如く、天に向つて呼吸することも神韻の福音である。 天は語らずしてよく語り、大地は黙々として行動する。母胎に成長する胎児は成長することを知りて語ることを知らず。ピラトの前…

世界国家18 春の巣立ち(1948年4月号)

雪は 水滴に更衣して五色の礼装に 自ら包み葉より葉を伝う 雨垂は雪の変装に柏子をとる朝日は 春を呼び醒し森は忽ちにして 息をふき返した小鳥は 梢に燥ぎ陽炎は春の復活に先躯して天上に駆け上る武蔵野の 午前九時 燦々たる太陽は真白き雪の画布に千百の物…

世界国家17 性による死の到着(1948年4月号)

性による死の到着 生存競争を経ずして、「性」というものが、先に地球に到着した。性が複合的進化をもつて、あらゆる条件、客観的環境に適応しつゝ、進化発展しようという目的を持ちはじめてから、地球の形相が違つて来た。上へ上へと複合進化しようとすると…

世界国家16 生存競争に就いての一考察(1948年3月号)

―世界苦とその救済― 生、病、老、死 生、病、老、死、この四つの苦しみを印度の釈迦牟尼は無明の本質と考え、王宮を捨て、仏陀枷耶の六年間の隠遁生活をはじめた。今日世界で、一番問題にしている事はやはり、同じ四つの苦しみであろうと思われる。即ち、第…

GOEN貯金箱のすすめ

先週末、親友と飲んでいて一つのアイデアを思いついた。GOEN貯金箱である。今どき子どもだって落ちている1円玉を拾おうとしない。財布の中にある1円玉や5円玉は増えると始末に困るものである。その1円玉と5円玉を入れる貯金箱を配って、困っているNG…

21世紀には愛国が非国民になる

5年前に書いたコラムを読み返して、平和を考える上で我ながら的を射ているなと振り返った。当時は中国各地で反日デモが起きて日中に大きな亀裂が入っていた。どうしてこうなるのか考えたコラムで未発表である。ぜひみなさんに読んでもらいたい。(伴 武澄)…

オランダから来たちょっといい話

JMMという村上龍さんが主宰しているメルマガがある。あまりにも分量が多いので最近はあまり読んでいなかったが、2週間ほど前に『オランダ・ハーグより』(春具)が「利己的無私のススメ」という面白いコラムを書いている。親友の一人も読んでいて酒のさ…

友愛公共フォーラム第一回シンポが開催

2月14日、東京・目白台の東大医科学研究所の講堂で友愛公共フォーラム発足記念シンポジウムが開かれ、関係者、市民約160人が参加した。目玉は鳩山首相の所信方針演説を書いた松井孝治内閣官房副長官、鈴木寛文科相副大臣、劇作家平田オリザ氏の鼎談だっ…

INVICTUS 9000days

2月13日、近くの映画館で映画「インビクタス」を見ました。筆者自身が南アフリカで少年時代をすごした思いがあるだけに、なんともいえない気持ちになりました。マンデラは9000日、27年間もの間、監獄で過ごし、アパルトヘイト廃止後の南ア大統領に就任します…

世界国家15 平和政策としての教育(1948年3月号)

太陽を射るもの 昔、台湾には二つの太陽が輝いていた。台湾の熱いのはそのためであった。一人の理想に燃えた男が、この二つの太陽の、せめて一つでも射落して台湾を焦熱地獄から救い出さうと思い立ち、弓矢を背にして太陽に向って進んだ。多くの年月は経過し…

世界国家14 祈なくして創造なし(1948年3月号)

唇を開かない児に、乳を与えることは出来ない。食慾の無い病者に滋養分を補給することは出来ぬ。 求むるものにのみ与えられ、尋ぬるものにのみ発見されるということは永遠の真理である。成長せんとするものは要求を持つ。目的を持つものは発見を急がねばなら…

世界国家13 人類の運命と平和への道(1948年3月号)

―戦闘的平和運動の展開― 一九〇七年ノーベル賞をもらったルコント・ドノイの「人類の運命」によると、宇宙進化は、ほとんどその方向を決定している。混雑し混沌とした中から良心生活へまで発展している。人間社会には戦争もいく度かあり、性欲方面の失敗もあ…

世界国家12 ユネスコの為めに立て(1948年1、2月号)

「平和」は仮想ではない。平和は、夢ではない。平和は、我らの憲法に、保証せられ、平和は、我らの戸口に待っている。 然し、心の平和は、日本に、来ていない。心から、始めなければ、絶対に、平和は恒久的であり得ない。 そのために、平和は、受胎告知の日…

上海からの二人のお客様

賀川豊彦記念松沢資料館の杉浦秀典学芸員のブログが最近のおもしろい。「上海からの二人のお客様」を転載させてもらう。 - 先々週、中国上海の復旦大学の大学院生の方がこられて、資料を探してゆかれた。学部時代は米国アイビーリーグで人類学を修められた方…

シンポ「友愛よ公共という新たな政治の地平」

友愛公共フォーラム発足記念シンポジウム 「友愛と公共という新たな政治の地平」55年体制を真に超えるために 開催趣旨:日本政治史上、初の本格的政権交代が実現し、新政権は「友愛」や「新しい公共」という優れた理念を政権の考え方(公共哲学)として掲げ…

世界国家11 北斗星のまたゝき(1948年1、2月号)

北斗星のまたゝき 北天に秋北斗は瞬く! 干億年の歴史を笑て、彼はひとり瞬く。地軸は西に傾き、東に北に、二十三年度半の傾斜に、さらに十七度を加えて、振動する。その周期二万六千七百年!堯も告げず、禹も周も未覚のまゝに過ぎ行く。 宇宙の壮大は蔽うべ…

世界国家10 二十世紀にも奇蹟は起る((1948年1、2月号)

――平和の可能性―― 獅子は牛の如く藁を喰い、幼児は毒蛇の洞に戯るとも害われることなき世界を昔の予言者は夢みた。 生存競争による進化論を提唱したチヤルス・ダアウヰンの甥サー・フラソシス・ガルトンは「人間機能の研究」においてかくの如き空想が現実と…

世界国家9 敵を愛する精神(1947年11月号)

愛国心だけでは足りない ロンドンの大英美術館の東側に一つの銅像がたつている。背面は十字架。前面は、イギリス兵でない他国の軍装をした負傷兵をやさしく掻い抱いている一人の看護婦の像。そして像の台石には「愛国心だけでは足りない」と刻まれている。こ…

上北沢(桜上水)とキリスト者 その1

「桜上水」というブログにタッピングに関する興味深い記述があったので紹介したい。 http://plaza.rakuten.co.jp/sj2006/diary/20100113/ - 桜上水5丁目の通りのいくつかに名前がついた。 中に、タッピング坂というのがあり、それは、上北沢の松沢教会にあ…

シンポ「賢くてあったかい おカネのまわしかた」パルシステムセカンドリーグ支援室

私たちの思いをかなえる おカネをまわす仕組みをつくりませんか私たちパルシステム生活協同組合連合会が3年前から本誌『のんびる』を発行してきた目的は、一にも二にも、地方や都市の崩壊する地域を活性化するお手伝いをしたいということでした。 地域の中で…

「下座奉仕」(賀川豊彦協同組合論集より)

杉浦秀典さんのブログ「松沢資料館の雑芸員日記」が復活した。というより思い出したように何本か書いて、また忘れるという日記である。たぶんお仕事がお忙しいからそうなるのだと思っている。今日紹介するのはは「下座奉仕」です。 http://kagawa100.blog.sh…

新しい夢を宿した二年間の修道のとき(鳥飼慶陽)

神戸イエス団教会100周年記念誌への寄稿 いまはむかし、不思議なご縁で神戸イエス団教会の招聘を受けたのは1966年春、44年も昔のことである。しかも2年間という短い期間であった。けれども私たちにとってあの2年間は、新しい夢を宿した大切な修道の時…

友愛の政治経済学がyahoobooksのランキング3位?

賀川豊彦献身100年記念事業の実行委員メンバーから電話があって、yahoo books のビズネス社会のランキングで『友愛の政治経済学』が3位になっているという報告があった。総合でも30位だという。見てみると確かに!! http://books.yahoo.co.jp/book_detail/…

金沢八景教会で賀川豊彦100年記念講演会

賀川豊彦100年記念講演会 日本の近代キリスト教史において大きな足跡を残した人物の一人が賀川豊彦。労働運動、平和運動、人権運動、組合運動など社会的運動に一生を投じ、自伝小説「死線を越えて」がベストセラーになった伝説的人物である。 その孫にあたり…