4月2日発売の季刊『at』 特集:賀川豊彦 その現代的可能性を求めて

 季刊『at』第15号【特集:賀川豊彦 その現代的可能性を求めて】

 日本近代を代表する社会運動家にしてキリスト者、ベストセラー作家でもあった賀川豊彦は、戦後社会においてほとんど忘れ去られている巨人である。貧困救済から始まった彼の膨大な業績の中に何を見出すのか、経済恐慌と格差拡大の現在、私たちの歴史的想像力と社会的構想力が試されている。
 賀川が創始した社会運動はじつに多様である。労働運動、農民運動、生活協同組合運動、共済運動、医療組合、幼児教育、セツルメントなど、百科全書的広がりを示している。それらを貫いている賀川の思想と信仰の根幹には、友愛=相互扶助のエートスがあり、全運動を駆動させていたことに思い至る時、戦後の社会政治運動が何を欠いていたのか、その反省の機縁を得ることになるだろう。
賀川豊彦の名前を知らないでも、日々の生協運動に関わる女性たちは一千万人のオーダーに達しています。賀川の播いた種は各地各領域で枝葉を伸ばしています。今こそ、それらの意義を吟味し、より大きな展望と連携の中に据え直すことは、苦悶する資本主義と国家を内発的に超えるオルタナティブな回路を準備するでしょう。本特集がその一端に連なることを願っています。
 特集の主要な論文は次の通り。

【巻頭論文】
柄谷行人  「普遍宗教は交換様式Dとしてのみ出現した」
       連載『世界共和国へ』に関するノート〈11〉
 相互扶助的な社会運動としての普遍宗教は、どんな存立条件の中で成立するのか。生産様式論に変わる交換様式論を提唱する著者は、賀川豊彦の信仰と社会運動を駆動させた普遍宗教成立の謎を解き明かす。
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