ミュージアム建設募金ご協力のお願い

 賀川豊彦が、貧困にあえぎ劣悪な環境で暮らす人々共に生きるために、彼らが生活する地域に入っていったのは、1909年12月24日、21歳のときでした。
 活動母体として最初に組織された「救霊団」を皮切りに、明治、大正、昭和を通じて、弱い立場に立たされた人々の救済と、そのような立場に人々が立たされないための新たな組織づくりに努めました。賀川豊彦は現在、日本で興った協同組合運動や社会運動のほぼすべてにかかわったと評されています。またそれ以外にも、多くの仲間とともに、災害などからの復興や子どもや女性の権利の確立、福音宣教活動などを推進してきました。
 私たちは、賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクト実行委員会が2007年4月28日に宣言しましたように、
 賀川豊彦とその仲間たちの多様な取り組みに出会い、
 100年をさかのぼってそれを検証るとともに、次なる100年を見通し、
 互いの分野や垣根を越えた、現代にふさわしい社会を模索し、
 共に生きる社会を実現するために課題を解決する行動を起こします。

 現在の賀川記念館は今から50年前、賀川豊彦の献身50年を記念して計画され、豊彦の召天後、1963年に開館されました。計画段階において 賀川豊彦が望んだように「個人を顕彰するのではなく、弱い立場におかれた人たちの支援を行う実践の場」として、地域福祉を担う施設として建設され今日に至っています。
 新しい賀川記念館では、ミュージアムアーカイブズ、および研究室を設置しますが、単に過去の取り組みを紹介するに留まらず、「私たちの献身」を支える器であり、出会いの場としての機能を視野に入れています。また、共に生きる社会を実現するために不可欠であるプログラム開発にも取り組みます。
 2009年は、賀川が献身してから100年目にあたります。この記念の年に、賀川記念館設立の理念と使命を満たし、次の時代への新たな取り組みに向かい、多くの仲間と手を携えて船出をしたいと思います。
 つきましては、この趣旨にご理解いただき「賀川記念館ミュージアム建設募金」にご協力くださいますよう、心からお願い申し上げます。
 2008年12月 社会福祉法人・学校法人イエス団 理事長木村量好

 募金の要項