オバマ大統領ノーベル賞の時こそ世界連邦のグランドデザインを 四国ブロックが宣言

 世界連邦運動地区四国ブロックは11月03日、徳島市のJA会館で第36回四国協議会総会を開いた。筆者は5月に高知支部長に就任したばかりで世界連邦運動には疎かったが、四国ブロックはエライもので、昭和30年代からブロック会議が続いている。一方で会員の高齢化はいかんともしようがないようで、高知支部では小生が58歳で「若手会員」と称されているくらいだ。22日には金沢で全国会議が開催される。なんとか若年層に平和の大切さを広げて四国から世界連邦運動のうねりを生み出したいものだ。(伴 武澄)
 会議には四国6支部から約70人が参加し、「賀川豊彦献身100年記念のこの年、オバマ米大統領が「核なき世界」の提唱でノーベル平和賞を受賞したまさに今この時こそ、世界連邦運動の再構築とその実現に向けたグランドデザインを描き、共に手を携えて、その実現に向け努力してゆくことを決意する」と大会宣言を全会一致で採択した。以下は大会宣言文(右写真は四国ブロック最高齢会員の山口末子さん=95歳、後方は中山淳四国ブロック協議会会長)

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 本年4月、オバマ米大統領は、プラハの外交演説で、「広島、長崎に原爆を投下した米国には、核兵器を使用した唯一の国として、行動する道義的責任がある」と、「核兵器のない世界」に向け、外交交渉を宣言し、9月には国連安保理の議長として「核兵器全廃に向けた」決議案採択を主導した。新たな時代の幕開けを予感せしめる快挙であった。
 一方唯一の被爆国であるわが国にも、世界の恒久平和に向け、果たしたそのめざましい功績で、「のーべるへいわしょうに」に数度に亘ってノミネートされ、受賞目前に他界された偉大な先覚者がいたことを忘れてはならない。賀川豊彦。まさにその人である。その賀川が、湯川秀樹博士やアインシュタイン博士らとともに、「世界法」に基づく世界秩序の樹立、即ち「世界連邦政府」の構築以外に、世界から悲惨な戦争や飢餓・貧困、地球的規模の環境破壊を抑止する道はないと、その実現の為に、展開されたものこそ、世界連邦運動である。その運動は、1960年代、日本全国の「自治体宣言」として、燎原の火の如く展開され「世界連邦」実現への期待は誠に大きいものであったが、我が国の国際大会中断と共に、やがて沈滞の一途を辿ってきたことは誠に残念猫とである。しかし、脈々とその運動は継続し、「国際刑事裁判所」の設置など多大な功績を残し、2005年には我が国の衆議院に於いて、「世界連邦実現への道の探求に最大限努力すべし」との決議を行い、運同音一つの悲願実現を見た。
 四国においても、かつて全国的な世界連邦運動の盛り上がりの中、四国全権並びに37市町村が、「世界連邦自治体宣言」を可決したが、自治体の財政難や合併などで、あるいは風化し、あるいは後退を余儀なくされている事実は否めない。
 しかし、こうした諸問題をはらみつつも、昭和38年、香川県高松市で開催されて以来、途絶えることなく、四国四県が輪番で「世界連邦四国協議会・四国大会」を継続開催してきた。その実績は禅億滴にも希有なことで重大な意義をもとことを再確認したい。
 先人の志を受け継ぐ四国四県の同志は、今年で36回を数える「世界連邦四国協議会総会」並びに「四国ブロック会議」をここ徳島の地に結集して開催した。徳島は、世界連邦運動の草分けである賀川豊彦の出身地であり、その精神を生かそうと7年前には、日本大会を開催したが、今回あらためてこの偉大な先覚者「賀川豊彦」の再評価の必要性を学んだ。時あたかも賀川豊彦献身100年記念のこの年、オバマ米大統領が「核なき世界」の提唱でノーベル平和賞を受賞したまさに今この時こそ、世界連邦運動の再構築とその実現に向けたグランドデザインを描き、共に手を携えて、その実現に向け努力してゆくことを決意し、ここに宣言する。
 2009年11月3日
 第36回世界連邦四国協議会総会
 2009年世界連邦四国地区ブロック大会