賀川豊彦とアリスメンディアリエータとセカンドリーグ

 13日に続いて、ブログ紹介。今日は」イッセーブログ」。最近、上質の賀川論がブログに次々と登場しているのはうれしいことだ。
 賀川豊彦献身100年記念事業は2月にスタートした。東京と神戸にプロジェクト実行委員会が立ち上がったが、その後、徳島と奈良でも実行委員会が動き出した。日生協が春以降、アクセルを踏みっぱなしで、30以上の都府県で事業を展開。その影響だろう、多くの独自の取り組みが生まれつつある。12月22日、神戸・ポートピアホールで締め括り大会が開かれるが、献身事業は当分おわりそうにない。(伴 武澄)
 賀川豊彦とアリスメンディアリエータとセカンドリーグ
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 山本さん、前田さん、イッセーの3名で松沢資料館(賀川豊彦記念館)に行ってきました。来年3月6日のシンポジウム(ユーアイ基金構想と賀川豊彦・・・仮称)の打ち合わせのために。
 加山久夫館長(明治学院大学名誉教授)と山本さん、前田さんとのやり取りを拝聴しながら、「それぞれなかなかの見識だなー」と驚いたり、自分の協同組合への係りの過去を振り返ったり、3月のシンポジウムをセカンドリーグ(地域セカンドリーグ&支援室)機能のレベルアップの為にどのように活かそうかと考えながら聞いていました。
 1977年から78年にかけて『モンドラゴンの経済』を訳したときにホセ・マリア・アリスメンディアリエータ(アリスメンディと省略)という神父さんに興味を抱いた。モンドラゴン協同組合連合は生協関係者なら知る人ぞ知るバスクの協同組合連合体で今も発展している。アリスメンディは1930年代は新聞記者で一度フランコに逮捕されて死刑判決をされたのだが、助命されて地域に入ったときに、中央政府ともうまくやりながらバスクの発展と自立をめざすには協同組合方式が良いと判断した。
 若い活動家を誘ってウルゴールという家電生産組合を作る。彼の机の引き出しには「毛沢東語録」が入っていたという。彼は主義や所属組織で人を分けてしまうのではなくて、個性豊かで生身の人間から組織を構想していく。ここが賀川とアリスメンディの1つの共通項かもしれない。「世界連邦構想」の閣僚的メンバーには、現在民主党社会民主党で活躍する大臣クラスの人から、なんと福田康夫さん、中川秀直さんまでが入っている。200人委員会には共産党の方も入っているという。もしかすると旧新左翼からも誰かが?ならもっと面白い。でもこれってイタリア、フランス、南欧の政治世界ではそれほどユニークなことではないかも。かって1968年フランス・パリ5月革命の指導者の一人、ダニエル・コーンバンディはそのご「緑の党」に係り、今でもEUの政治に少なからぬ影響を及ぼしていると聞く。団塊世代の同士諸君、あと30年の間に何とかしようぜ!
 話を、元に戻します。両者とも貧困、差別、独裁政治、戦争に反対する正義感も共有する。事業家としての発想もある意味破天荒であると同時に着実にひとつひとつ実現して聞く経営者としての才能や人望も持ち合わせている。たまたま2人はジサスとであってクリスティアンになったが、場合によっては別の宗教や思想の洗礼を受けていたかもしれないという興味もわく。記念館で初めて聞いた賀川豊彦の声はとても澄んでいて聞く耳にここちがよかった。4歳で父を、5歳で母を亡くし、里子に出されていじめられ、孤独の環境で訪米した。まさに『次郎物語』(下村湖人)だね。当時の彼にとっては、虫や鳥や草とのコミニケーションが心を癒し、ローガン博士が親父代わりだったのかもしれない。ぼくが1977年に翻訳した『モンドラゴンの経済』の著者もたしか何とかローガンという人だったと思う。何らかのつながりがあるのかもしれないので調べてみよう。