賀川豊彦関係団体・協同組合連絡協議会と「あたたかいおカネ」

 6月2日、共栄火災の会議室で、賀川豊彦関係団体・協同組合連絡協議会が開催され、協議会の会則などについて議論。今後、身100年記念事業に参加した団体に対して参加を呼びかけることになりました。
 この協議会は献身100年記念事業実行委員会の賀川賞委員会の議論の中で、「賀川賞」の創設は時期尚早であるとの結論が出された一方で、関係団体の連絡協議会を設立して、引き続き相互交流を継続しようということで発足したものです。賀川賞の創設についての協議はもちろん、直面する2012年の「国連協同組合年」への取り組みについても考えていくことになっています。




 協議会終了後は、共栄火災の南雲氏のはからいで、パルシステムセカンドリーグなどが支援している丸の内のレストラン「とかちの」で懇談会が開催されました。
 セカンドリーグなどが現在考えているのは「賢くてあたたかいおカネの預け方、回し方」です。おカネが投資されて、配当を受け取るのが資本主義のシステムですが、社会に役立つことに使われる“投資”があってもいいのではないかという発想です。グラミン銀行を経営するバングラデシュのユヌス氏のソーシャル・ビジネスと似た考え方だと思います。
 「とかちの」の場合、地域の交流と活性化を目指す「場所文化フォーラム」(吉澤保幸代表)が仕掛け人となっています。「志」ある「志人」のおカネ「志金」を集めて“投資”されたレストランであると同時に、「志人」たちが集うサロンでもあります。「志人」たちが丸の内に“所有”するダイニングルームといっていいかもしれません。ダイニング・ルームでは、北海道の十勝の豊かな食材をつかった乳製品や勝沼のワインなどが提供されます。
 「志金」つまり投資期間は5年で、その後は新たなプロジェクトに再投資されます。出資者に対する金銭配当はありませんが、代わりに200万円の出資に対して、年間10万円の食事券「とかプチ」が配られます。おいしい食事と豊かな時間を過ごす空間をみんなで所有するのです。
 この「とかちの」を起点に地方と都市との新しい継続的交流、地域再生の新たなモデルをつくれるのではないかと、高崎市宇和島市など、ほかの地域でも様々な取り組みを展開しているところです。