宇宙の目的 3 宇宙を支配する整数比

 電子の内部においても、マクス・プランクの常数と呼ばれる整数の一定量6.55×10-27という宇宙究極の整数量が認識されていることは、注意すべきことである。
 歯車の研究の権威東北大学の成瀬博士は、歯車が整数の比をもたなければ、完全なものでないということを力説しているが、物象界の運行を円滑に運ぶためにも、整数の出現が必要であったと考えなければならない。実際整数の出現を待たなければ、微妙な万象の運行はある目的に向かって進行せしむることはできなかったであろう。
 熱力学の世界に現われた最微の量子より大宇宙に展開する天体に至るまで、整数の支配していないところはないことを知るにいたって、われわれはなぜに結晶体が、単純な整数比によって幾何学的に組み立てられ、分子間に発生する熱量が、すべて整数の比例によって成り立っているかを理解する。つまりわれらの住む宇宙は整数的幾何学世界であり、整数的力学世界であるのだ。これは目的に向って選択の加わった世界であり、いわゆる意匠をもって出現した宇宙であると考えねばならぬのである。