賀川豊彦ゆかりの地も 「コープこうべ」は17日に 12月24日付け毎日新聞地方版

 賀川豊彦ゆかりの地も 「コープこうべ」は17日に 12月24日付け毎日新聞地方版

 ◇温かい心を分かち合いませんか
 ◇長田・大国公園→御蔵北公園近く

 阪神大震災から14年になる神戸の町を歩いて、温かい心を分かち合いませんか−−。震災で壊滅的な被害を受けた神戸市長田区を、復興を支えたボランティアについて考えながら歩く「こうべi(あい)ウオーク09」が来年1月11日、8年ぶりに復活する。参加者の寄付を、震災復興などにあたるボランティア団体に提供するユニークな試みだ。【辻加奈子、中尾卓英】

 iウオークは99年、アメリカのエイズウオークを参考に始まった。初回は約3500人が参加、260万円が寄せられた。県などが01年から開催し毎年数千人が参加する震災メモリアルウオークの原型となったが、協賛企業や団体が減り同様の行事が増えたことなどから3年で終了。その後は、1月17日に近い日曜日に自主的に続けてきた。

 しかし、来年は開始10年になることや、他のウオーク参加者が年々減少し、震災の風化が懸念されることなどから、再開を決めた。

 当日は午前9時半〜10時半、同区本庄町2の大国公園を随時スタートし、約2キロ北東にある同区御蔵通5の御蔵北公園近くのみくら5へ午前11時から正午までに着くように歩く。ゴール付近では豚汁などの炊き出しもある。

 コースには、震災ボランティア団体の活動拠点になっているカトリックたかとり教会や、「そばめし」「ぼっかけコロッケ」など神戸の下町の味わいが楽しめる丸五市場なども。一方、JR新長田駅南地区に林立する再開発ビルでは空き店舗が目立つなど、震災から14年の現状を垣間見ることもできる。今月中旬、コースを下見した神戸まちづくり研究所事務局長、野崎隆一さん(65)は「10年前に使った地図を配るので、復興の進み具合を体感しながら、長田のまちと人に触れ合ってほしい」と話す。問い合わせは、同研究所(078・230・8511)へ。
 ◇日本初の「ボランティア」活動、賀川豊彦ゆかりの地も 「コープこうべ」は17日に

 一方、生協「コープこうべ」(神戸市東灘区)も1月17日、初の「震災モニュメントウオーク」を実施する。日本の生協・労働組合・信用金庫などの祖で、関東大震災(1923年)でも日本初の「ボランティア」活動を行った賀川豊彦が、神戸市中央区キリスト教伝道を開始して100年に当たるのに合わせて企画した。

 コースは、県と神戸市などの追悼行事会場になる神戸市中央区加納町の東遊園地から、同区脇浜通の人と防災未来センターに至る約2キロ。コース途中にある「死線を越えてモニュメント」や、最底辺の人々を救済するため開設した一膳飯屋「天国屋」や現代版ハローワーク「生田川口入所」跡地など賀川ゆかりの地を「賀川豊彦献身100年記念事業神戸プロジェクト委員会」顧問の西義人さんらが案内する。

 午前9時半、ポートライナー三宮駅前集合。問い合わせは、コープこうべ第3地区本部(078・412・3771)へ。

〔神戸版〕

毎日新聞 2008年12月24日 地方版