韓国から賀川研修ミッション来日【徳島新聞】

 韓国から鳴門市賀川豊彦記念館に研修ミッションが来日した。7月3日の徳島新聞の記事を転載します。
 賀川豊彦の友愛精神学ぶ 韓国の牧師ら来県、鳴門の記念館訪問

 鳴門市出身の社会活動家賀川豊彦が貧民救済活動を始めて100年になるのを機に、賀川の友愛の精神を学ぼうと韓国の牧師ら20人が2日、鳴門市大麻町桧の賀川豊彦記念館を訪れた。賀川の功績を顕彰するNPO法人とも交流を深めた。

 訪問団は、記念館で生活協同組合設立や幼児教育の推進、労働運動など賀川の活動を紹介したパネルを見学。団長の鄭(チョン)然星(ヨンソン)牧師(57)は「活動の幅広さに驚いた。賀川の平和への思いが伝わってくる」と熱心に眺めていた。

 この後、地元NPO法人賀川豊彦記念・鳴門友愛会」のメンバーらと意見交換。同会理事の林啓介さん(75)が「賀川はスラム街に移り住み、恵まれない人々の心の支えになった。戦争をなくすために世界連邦も提唱し、ノーベル平和賞候補にも挙げられた」と功績を紹介した。

 今回の訪問は、訪問団と同じ韓国キリスト教会に所属する金(キム)在一(ゼーイル)牧師が昨年2月に来館し、その後も林さんと交流を続けているのがきっかけとなった。韓国では、世界的な経済危機で貧富の差が拡大。キリスト教信者で貧民救済活動に尽力した賀川の思想に学ぶことが多いと、教会の研修旅行として訪れた。

 10月には、交流の一環として金牧師主催の賀川豊彦顕彰フォーラム(韓国ソウル市)に、林さんがパネリストとして出席する。
【写真説明】林啓介さん(右手前)の説明を聞く韓国の教会関係者ら=鳴門市大麻町の賀川豊彦記念館