日本憲政史上初の「選挙による政権交代」:「友愛革命」への起点となりうるか?

 地球平和公共ネットワークから以下のコラムを部分転載します。
 http://global-public-peace.net/archives/156
 2009年8月30日の衆議院選挙で、民主党308議席(193議席増)、自民党119議席(181議席減)というように、民主党が歴史的な勝利を手にして、政権交代が実現した。自民党の大物政治家が次々と落選する結果は、衝撃的ですらあるだろう。鳩山党首をはじめ、この大政治変動を「革命的」と感じる人も少なくはない(1)。そこで、この歴史的意味と位置づけについて述べてみよう。(続きはここから

 3.友愛政治の意義:理想的政治への起点

 「友愛」という理念、さらに愛そのものは、西欧ではギリシャ以来の理念であり、キリスト教神秘主義において発展し、近代においてはフランス革命のスローガンにもなった。さらに、西欧に限らず、たとえば儒教における「仁政」の理念に現れているように、東洋でも人道主義的な政治は最重要な政治的理念の一つだった。その理念が政治において復活したことの意味は少なくはない。

 鳩山氏は、この理念を祖父の鳩山一郎から受け継ぎ、それはクーデンホーフ・カレルギー伯爵の「友愛革命」という思想に由来する。しかし、これは鳩山家の理念というだけではなく、鳩山氏はそれを自分自身の信念に基づいて堅持しているように見える。鳩山夫人はスピリチュアルな世界観を持っており(3)、鳩山氏自身も、目に見えない実在の存在を信じることを公言しているのである。だから、その「友愛」は、何らかの意味におけるスピリチュアルな世界観に立脚した精神的な理想のように見える(4)。(続きはここから