Kagawa Fellowship House

 上北沢の新宿よりに桜上水という京王線の駅がある。かつて、その駅の南側にKagawa Fellowship Houseがあった。アメリカのKagawa Fellowship Committeeを仕切ったヘレン・タッピングが住み、賀川豊彦の事業を世界に広める広告塔となった。
 米沢和一郎氏の「賀川豊彦の海外資料」(明治学院大額キリスト教研究所)によると、ここにはヘレンのほかに、ディサイプルス派のミス・ジェシー・マリー・トラウト、そして同派のミセス・ドーン、さらにメソジスト派のエリザベス・キルバン、バプティスト派のグレジットがいて、トラウトの私設秘書の高松民子や吉本健子がいた。
 伝記『Kagawa』を書いたウィリアム・アキスリングも出入りしていた。アキスリングは熱烈な賀川支持者で、ヘレンの父親ヘンリーが一時期いた盛岡バプティスト教会の前任者である。
 賀川は内外の多くの人々に支援されて膨大な事業を行ったのだが、賀川のの語る言葉や行動は逐一、英語に翻訳されて桜上水から発信されていたのだ。
 現在、へレンが住んでいたあたりはタッピング坂を呼ばれて地元の人々から親しまれている。