国際平和協会が徳島でアフガン救済トークショーを開催

 2月16日、徳島市文化センターで開催される「第31回部落解放・人権徳島地方研究会」(主催:部落解放同盟徳島県連合会)に呼ばれ、「10万人の戦災孤児を救えるか−アフガン6年の経験から」と題してトークショーを行います。生井隆明氏と伴武澄がアフガニスタン戦災孤児の救済を訴えます。徳島でのトークショーは2回目です。1000人以上が集まるというので楽しみです。
 以下、当日のレジュメです。

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 アフガニスタンは有史以来、多くの民族が通過した文明の十字路と呼ばれている国です。アーリア民族がインドにやってきて、マケドニアアレキサンダー大王がインダス川まで攻め込みます。インドで起きた仏教はアフガニスタンを経て中国、そして日本にたどりつきます。モンゴルのチンギスカンもまたインドを目指してアフガンを支配します。近世においてはロシアとイギリスが中央アジア制覇のためにアフガンでしのぎを削ります。アフガニスタンは国王を戴く国家でしたが、1970年代にクーデターが起き、ソ連が進駐してきます。ソ連が撤退した後に今度はアメリカが空爆を始めました。世界で最も戦争の絶えない地域といえます。
2001年10月2日、米英は9・11の報復として空爆を開始しました。それから約9年が経ちます。報道されたのは空爆のデジタル映像と自爆テロの残骸ばかりです。戦闘地域の様子はおろか2800万人の国民生活もほとんど伝えられません。子どもたちの姿など関心がないのかもしれません。でも生井隆明さんは違いました。直感は「子ども」でした。
 2001年から6年間、10万人といわれる戦災孤児の世話をしてきました。空爆やテロによって親をなくした子どもたちの多くは貧困と心の病におかされています。生井さんのクリニックはアフガニスタン政府にとってもかけがえのない施設になり、国連難民高等弁務官緒方貞子さんからも評価されました。アフガニスタンにとって有為の人になるほどに逆に命が危なくなるという矛盾の中で6年間、奮闘しましたが、遂に撤退を余儀なくされます。
 昨年、生井さんは再度、アフガニスタンのために行動を起こすことを決意しました。アメリカ軍の撤退を見据えた民生復興が求められているからです。日本政府は5000億円のアフガン支援を世界に宣言しています。生井さんは、署名運動を通じて政府に戦災孤児の救済と自立を求める事業を求めていく考えです。国際平和協会は、生井さんの事業を全国に理解していただくためのキャンペーンと事業支援のための募金活動を始めています。
 アフガニスタンへの理解が深まり、貧困と精神ストレスに悩む戦災孤児たちが一日も早く自立して生活できるよう願っています。みなさまのご理解とご協力を切にお願いいたします。

生井隆明(なまい・りゅうめい)生井ストレス科学研究所所長
1944年茨城県生まれ。九州大学医学部の上川道純博士に私淑、独学でストレス医学を学び、80年、東京都文京区にストレスセラピー・ルーム開設。後に「生井ストレス科学研究所」設立。2002年、NPOアジア戦災孤児救済センター(AWOA)を設立、2008年までカブールでアフガニスタン戦災孤児救済事業を行ってきた。本職は「心理系、脳神經系へのストレスの影響」の研究と「ストレスセラピー・ルーム」での施療。アフガニスタンでの事業の以前には、阪神大震災、台湾大震災でのストレス関連施療などボランティア活動にも関わる。著書『うつで人は豊かになる』(ヴォイス、2007年)
伴 武澄(ばん・たけずみ)共同通信社ニュースセンター整理部長。1951年高知市生まれ。1977年から共同通信社記者。主に経済畑を歩み、2004年から財団法人国際平和協会会長。著書『日本がアジアで敗れる日』(文藝春秋社、1996年)

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