春の巣立ち 国際平和協会機関誌「世界国家」 (一九四八年四月号)
雪は 水滴に更衣して
五色の礼装に 自ら包み
葉より葉を伝う 雨垂は
雪の変装に柏子をとる
朝日は 春を呼び醒し
森は忽ちにして 息をふき返した
小鳥は 梢に燥ぎ
陽炎は春の復活に先躯して
天上に駆け上る
武蔵野の 午前九時 燦々たる太陽は
真白き雪の画布に
千百の物象を彩って行く
昨夜の吹雪は
忽ちにして春の序曲とはなり
自然の激変に
(一九四八年四月号)
雪は 水滴に更衣して
五色の礼装に 自ら包み
葉より葉を伝う 雨垂は
雪の変装に柏子をとる
朝日は 春を呼び醒し
森は忽ちにして 息をふき返した
小鳥は 梢に燥ぎ
陽炎は春の復活に先躯して
天上に駆け上る
武蔵野の 午前九時 燦々たる太陽は
真白き雪の画布に
千百の物象を彩って行く
昨夜の吹雪は
忽ちにして春の序曲とはなり
自然の激変に
(一九四八年四月号)