徳島で10月に献身100年記念県民フォーラム

 徳島県が生んだ社会運動家賀川豊彦(1888-1960)の功績を多くの県民に伝える「献身百年記念事業・徳島プロジェクト」の実行委員会が6月13日に設立される。12日、関係団体による準備会で決まった。10月に開く県民フォーラムを中心に多彩な顕彰事業を展開する。
 準備会は鳴門市賀川豊彦記念館(同市大麻町)で開かれた。賀川にゆかりのある県労働者福祉協議会やJA徳島中央会、県生活協同組合連合会、NPO法人賀川豊彦記念・鳴門友愛会の関係者とキリスト教会関係者の計1人が出席、実行委員長に同記念館館長の田辺健二鳴門教育大学名誉教授を選んだ。
 メーン事業と位置づける県民フォーラムは、10月10日に徳島市内で開く方向で調整中。野尻武敏神戸大学名誉教授の基調講演の他、各地の研究者らによるシンポジウムを予定している。賀川の生涯を描いた映画「死線を越えて」の「1万人上映会」は9月ごろ県内各地で開く。
 徳島プロジェクトではこのほか、旧制徳島中学校在学中の賀川に大きな影響を与えた米国人宣教師のローガンとマヤスの子孫を徳島に招くことや、子ども向け副読本の編集などを進める。今年は、賀川が神戸のスラム街で献身的な救済活動をはじめてから百年の節目にあたることから、東京や神戸でも各種記念事業が展開されている。