祖父・豊彦を語り始めたグラフィックデザイナー 【朝日新聞】


 祖父・豊彦を語り始めたグラフィックデザイナー
 賀川督明さん(56)=2009年9月20日朝日新聞朝刊「ひと」
 「自分さえよければいい、という人があふれる今の社会は、もう限界にきている」
 祖父でノーベル平和賞文学賞の候補になった社会運動家賀川豊彦の写真を背にそう語った。豊彦が神戸に当時あったスラム街に移り住んで貧民救済を始めたのは、ちょうど100年前。7月に神戸で開かれた記念シンポジウムにパネリストとして登壇し、格差社会の今、豊彦の思想が求められると説いた。
 東京出身。6歳の時に逝った祖父は家庭を顧みず活動し、病に伏せった最晩年しか記憶にない。父は豊彦の敷いたレールを進まず、写譜や作曲をする音楽家になった。自身は、周囲の豊彦の孫への期待感に反発し、思春期はバイクで暴走、家出もした。大学は中退し、独学でグラフィックデザインを身につけた。
 40代になり、フリーとして自信を深め、祖父の生き方を素直に見られるように。戦前のベストセラー「死線を越えて」は「思っていた通り、人の痛みに寄り添う豊彦像が描かれている」。
 これまで孫として公の場に出ることを避けてきたが、年内は日本生活協同組合連合会など豊彦が創設に尽力した団体と力を合わせ、その業績を語る考えだ。来春、建て替え後の神戸の賀川記念館館長に就く。「成長への限界が見え、持続可能な社会を目指そう、というこの時代、豊彦のメッセージを響かせたい。ともにいきよう、というね」(文・木元健二、写真・伊藤菜々子)

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 ついに真打登場。先週日曜日の毎日新聞の記事に続いて、朝日新聞が看板記事で「賀川豊彦」を取り上げた。問題は賀川豊彦が復活した時に、賀川の著作が書店の本棚にないと困ると思っていて、復刻運動をしてきたが、『死線を越えて』『友愛の政治経済学』はAMAZONでは在庫が払拭し、『死線を越えて』は中古市場で3000内外の高値をつけている状況。一日も早い増刷が期待される。
 どうしても読みたい方は、現在、東京・銀座の教文館賀川豊彦ブックフェアを行っているので入手できると思う。賀川豊彦記念松沢資料館でもまだ在庫があります。(伴 武澄)
 教文館ブックフェア http://www.kagawa100.com/images/kyobunkan3.pdf
 賀川豊彦記念松沢資料館 http://zaidan.unchusha.com/
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