時計産業

農村の若者がつくった龍水時計(2) 伴武澄

昭和23年11月、時計づくりが始まった。素人軍団が2年、時計づくりを学び、さっそく生産に取り掛かるのだから、夢多きスタートといっていい。野沢さんによれば「工業高校を出たのは僕だけだったから、僕がリーダーになった。工場長のようなものだった」…

農村の若者がつくった龍水時計(1) 伴武澄

戦後、賀川豊彦が埼玉県桜井村に創業した農村時計製作所は、曲折を得てリズム時計に発展する。この会社には技術者養成機関として「時計技術講習所」があった。全国から農業青年を集めて、時計製作の技術を学ばせ、それぞれの故郷で時計工業を興す夢があった…

時計史に見る賀川豊彦

現在の農協の原形をつくったのは賀川豊彦だった。1922年、福島県でキリスト教の伝道の傍ら農業指導をしていた杉山元治郎と日本農民組合を大阪で結成した。小作料の引き下げなど農民の立場から団結して地主に対抗。250人で始まった運動は3年後には7…