ユヌス

「無私」の心で新事業拓け ポスト金融危機の新たなモデル

日本経済新聞2009年5月2日朝刊9面インタビュー「世界を語る」 世界経済を混乱に陥れた米国発の未曾有の金融危機。背景には利益至上主義の行き過ぎもあったが、新たな均衡点は見えないままだ。2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュ出身の経…

ESDシンポジウム in Kobe 持続可能な社会づくりにおけるソーシャルワークの意義

3月7日から3日間の日程で「持続可能な社会づくりにおけるソーシャルワーク」をテーマにESDシンポジウム in Kobeが神戸大学などで開催された。ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏を招いた講演を中心に神戸大学の大学院生らが準備した。初日は学…

ESDに資するソーシャルワークのの現在・過去・未来

上野谷 これから加代子の部屋にユヌスさんをお呼びします。二人の話を聞いていかがでしたでしょうか。テーマは「ESDに資するソーシャルワークのの現在・過去・未来」。阿部先生の本から言葉から紹介します。「昨日に目を閉ざす者は真摯に今日は生きること…

ユヌス氏を囲んで本音でトーク1

Q ソーシャルワークとソーシャルビジネスの違いは A お金を持っているほど銀行は相手にしてくれる。現在、世界の人口の3分の2の40億人は銀行システムの外にある。銀行は信用力がないというが、われわれは挑戦している。マイクロクレジットは世界の1億…

ユヌス氏を囲んで本音でトーク2

Q グラミンの雇用について教えて欲しい A まずいきなり支店長になるコースがある。修士取得者以上の人で、幹部候補生である。次いで一般行員コースは高卒者。この二つのコースがある。後者は少しずつ上がり支店長になることもある。 Q きのうのセッション…

ESD実践の草分けとしての賀川豊彦 阿部志郎

阿部志郎氏のスピーチ 1995年1月17日午前5時40分、この地は激震に見舞われた。6434人が命を失った。この知らせは全世界に伝わった。南カリフォルニアの救世軍はすぐに救援隊を組織して空港に集まった。日本政府から受け入れの準備ができないと…

挨拶

野上神戸大学学長 ESDは聞き慣れない言葉。Education for Sustainable Developmentの頭文字。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国内委員会の新しい委員たちがそもそもESDとは何か聞かれた。ESDの具体的な中身はそれぞれのテーマで違う。意見交換…

ムハマド・ユヌス語録 ESDシンポジウムin Kobeから

ESDシンポジウムin Kobeに3日間参加して、ムハマド・ユヌスさんはソーシャル・ビジネスの伝道師だと考えた。貧困救済の手法を自ら編み出し、国内はおろかいま世界に発信し伝えることを使命にしている。100年前、賀川豊彦がスラムに入り、小さな頭をめ…

グラミン銀行が提起する新しい方向 ユヌス氏 in Kobe(2)

多国籍企業がわれわれの活動に理解を示し、実際に合弁を組むようになって世界はようやくソーシャルビジネスに注目してくれるようになった。グラミン・グループは数年来、フランスのダノンと食品会社を経営している。最初にかわした契約には利益を取らないこ…

グラミン銀行が提起する新しい方向 ユヌス氏 in Kobe(1)

銀行システムのおかしさは貧しい人に貸さない、女性に貸さないということである。私はそれがおかしいと考えた。だから、マイクロクレジットを始めるときに半分は女性に貸そうと思った。 ところが実際に村に行くと、女性は「いらない」といった。理由は「お金…

ノーベル平和賞のユヌス氏が講演 神戸 【神戸新聞】

持続可能な開発のための教育(ESD)を考える「ESDシンポジウム イン 神戸」の第二日が八日、神戸・ポートアイランドの神戸国際会議場で開かれ、バングラデシュの貧困層を救う活動を続けるムハマド・ユヌス氏らが講演した。 ユヌス氏は一九四〇年生まれ…

献身100年・ムハマド・ユヌス氏講演会(3月8日、神戸)

賀川豊彦献身100年記念事業の4大シンポジウムのうち、神戸での8日のムハマド・ユヌス氏の講演が近づいてきた。講演会のチケットはすでに「完売」(もちろん無料だが)、事務局はうれしい悲鳴をあげている。世界的な経済危機の中で日本は雇用の維持が難しく…

グラミン・ダノンというソーシャルビジネス

ソーシャル・ビジネスは投資に対して配当を期待しないビジネスだ。そんなものがこの世に成り立つはずがない。誰もがそう考えるだろう。だが、フランス食品大手会社、ダノンのフランク・リブー会長はいたって真面目にバングラデシュのグラミン銀行とパートナ…

ユヌス氏のソーシャル・ビジネス

ユヌス氏は1983年のグラミン銀行設立後、ソーシャル・ビジネスを矢継ぎ早に設立する。著書『貧困のない世界を創る』の中で、その多くで成果を上げていると自負している。ソーシャル・ビジネスは出資者に対して配当しない「企業」である。多くの企業家は…

ユヌス氏のマイクロクレジット

2006年度のノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏は1940年、チッタゴンの宝石商の子供として生まれた。フルブライト奨学生として米国に留学、バンダービルド大学で経済学博士号を取得した。在米中に東パキスタンが独立運動を起こし、バングラ…

ユヌス氏の協同組合批判論

企業組織に人間性をもたらし、考え方を啓蒙する一つの試みとして協同組合運動がある。そこでは、労働者と消費者が、全員の利益のためにビジネスを所有し、経営に参加するのである。 ロバート・オーウェン(1771−1858)はウェールズ人で、イングラン…

『貧困のない世界を創る』ムハマド・ユヌス著

神戸プロジェクトのシンポジウムが近づき、遅まきながらムハマド・ユヌス氏の著書2冊を読んだ。10年ほどまえの『ムハマド・ユヌス』と昨年出版されたその続編ともいえる『貧困のない世界を創る』。ともに猪熊弘子が翻訳し、早川書房が出版した。 読み終え…